私が体験した中で、一番不可解な出来事についてお話させていただきます。別に怖い話ではないのが恐縮です。
今から3年程前の夏、友人達とキャンプに行きました。メンバーは私、A、Aの彼女のY、私とYの共通の友達Mです。場所は中部地方のとある山中です。Aが過去に一度行ったことのある所で、かなりの隠れスポットだという事です。大阪から出発し、京都を経て全員集まると高速に乗りました。それが8月10日です。キャンプは2泊を予定しており、帰宅予定は8月12日でした。
高速を降りてからはひたすら田舎道を走りました。山にさしかかるとだんだんと濃い霧に覆われてしまいました。ほとんど視界も無い状態です。それでも何とか車を停める所まではたどり着きました。道沿いにあるスペースに車を停め、そこから40分ばかり歩いたところが目的地ということです。しかし霧で視界が悪いので危険ということで、霧が晴れるのを待ちました。1時間ばかり車内で時間を潰しましたが、霧が晴れる様子がないので強行することにし、出発しました。ものすごい霧の中、徒歩で山中に入って行ったのです。歩く順番は先頭からA、Y、M、私の順です。30分ほど歩いたところで休憩にしたのですが、その時にAが私にボソッと「道間違えたかも」って漏らしました。私は冗談まじりに「勘弁してくれよ~」などと返しました。するとAが更に言います。「30分も歩けば川沿いに歩く道になる。でも未だに山の中って感じやん・・でも分かれ道なかったしなぁ」私が「霧で歩くスピードが遅くなってるからやろ?」と言うと、Aは納得したようで引き返し確認せずに、このまま進むことにしました。それからまた30分程歩いた所でやっと川沿いになり、霧も晴れてきました。Aもみんなもホッとしたようです。そしてもう少し歩き、河原に出てテントを張りました。霧が完全に晴れるととてもきれいな場所だということがわかります。そこで2泊して楽しく過ごしました。
次の日は快晴だったのですが、最終日は朝から雲が厚くどんよりしていました。雨が降る前に準備して出ようって事で、急いで帰り支度をして歩き始めたのですが、また濃い霧に覆われました。 行きの時と同じように1時間強歩き、車に戻ってきたのです。
そんなこんなで車を走らせ高速に乗って順調に帰ってきました。しかし、地元のインターを出たときに気づいたのです。高速の伝票の日付が8月11日なのです。私が運転してたのでほかの者はそれをみてないのですが・・・まあ機械の故障だろうと思っていたのですが様子が違います。高速を降りたときに女の子の一人が自宅に電話をかけてたのですが、親と電話でもめています。電話を切った後、何かあったのか聞いてみると、「帰ってきたよ」って言ったら「予定繰り上げたのか?」って言われたらしく、「何で?」って言うと、「一日早いじゃない」と言われたらしいです。「そんな事ない」と反論していたのを聞いていた我々は、その子が嘘を言ってるのではないとわかりました。そして全員の携帯をチェック、私の携帯は8月12日・・・Y、Mの携帯も8月12日・・・しかしAの携帯は8月11日なのです。なんか車内が不穏な空気になりました。「何?」「何で?」「どういう事や?」といった感じでした。私は先程受け取った伝票の事を思い出してみんなに見せました。「うーん確認が必要やな」と思った私は、コンビニがあったのでそこに停めて、コンビニの店員に「今日って何日でしたっけ?」と聞くと、「11日っすよ~」と返ってきました。コンビニにあった新聞もチラッと見ると11日です。電話も色々かけて聞いたりしました。やはり11日です。つまり我々が8月10日に出発して2泊して返ってきたのに、今日は8月11日といった現象・・・女の子達は意味がわからず泣き出したりしていました。私はふと思い出し、みんなに携帯をキャンプ中どうしていたか尋ねました。すると、A以外は持っていってたのです。Aはどうせ圏外だからといって車に置いていたとの事。我々の結論としては、あの霧が我々をアウターゾーンへと導いたのでは、ということになりました。
結果的にお盆休みが一日延びたからラッキーだったのかな?ですが、その後しばらくはその話を他の誰かにする度に電波扱いでした。もちろん最近は誰にも話してません。ですが2ちゃんなら、と思い書きました。
※『アウターゾーン』は、週刊少年ジャンプに掲載されていた光原伸によるオカルト漫画。現実と隣り合わせに存在する、「アウターゾーン」と呼ばれる不思議な世界に巻き込まれる人々の姿を描く。