嘘か本当か知らんけど多分嘘だろう話。小学校低学年の時によく遊んでくれてたじいちゃん(親戚とかじゃなくて近所の人)の家によく行ってたんだけど、ある日妖怪人間ベムの再放送見てた時に何故か天国と地獄の話になって、じいちゃんがぽろっと俺はどっちにも行けんだろうなって言い出した。昔芸術で躓いた時悪魔に魂売った、そいつに、成功させてやるが俺の命は今回まで、次の命はないぞと言われたみたいなこと言ってた。俺は小学生の頃から中二病みたいな奴だったから悲しいとかより嬉しくて、悪魔ってどんな奴とかどう呼び出すのかみたいな話聞いたけど教えてくれんかった。いやそこまで話したなら教えろと今なら思うわ。でもじいちゃんそっちのけで目輝かせたのは子供とはいえ申し訳ないことしたな。そのじいちゃん家は普通の和風の屋敷なんだけど、中に賞状とか新聞の切り抜きとか勲章?みたいのが飾ってあってさ、今思うと確かにすごい人で、何らかの成功はしてたんだろうなって思う。んで、俺は76になったその日に死ぬらしいけど、お前みたいにいい子と最後遊べてよかった、と。俺はそれ聞いて流石に悲しくなって、じいちゃん死んじゃいあんつって泣きついた記憶がある。
そん時のじいちゃんがいくつだったか知らんが、そこからしばらくして、大体2年ちょいくらいか?曖昧だけどじいちゃんは76の誕生日にポックリ亡くなった。そういう前触れもなくて、夜寝て朝見たら死んでたからまあまあ騒ぎになったみたい。死因は普通に心不全だか心筋梗塞だったので事件性はなし。火葬の時、俺も立ち会ったんだけどなぜか骨が出なくて、葬儀屋の人がめっちゃ慌てふためいて謝ってたから、それはオカルト的な話ではないんだろうけど。それで中学の時俺も悩み事があってじいちゃんの話思い出して、何のためらいもなく個人でやってるオカルトサイトに載ってた悪魔召喚の方法をガラケーで調べてやってみたけど、特に何も起こらんかった。そんなことがあったおかげで学生時代はよく覚えてたんだけど、成人してからずっとなぜかこの話をすっかり忘れてて、最近また悩み事があってふと思い出したので吐き出すがてら書いてみた。じいちゃんはくだらん嘘をつくような人でもなかったと思うし、それでも嘘だとは思うけど、言った通りの日付ぴったりに死ぬのってやっぱ不気味だよなあって不可解だったって話。