この話、最後までみんなに伝えられるか不安なんですが、焦っているので書き込みます。先月、昔からの釣友四人と某ダム湖に釣りに行った時の話。俺以外を仮にA、B、C、とします。四人は小、中学校の同級生で、高校は別だったけど近所だしよくつるんでた。この春から俺とAは大学生、Bは専門学校、Cはフリーターと、時間だけはあり余っていたので、そこで三泊で釣りに行く計画を立てたのです。
俺たちはBの家の車を借りて出発した。今思えばその時から何か変でした。途中で食事してる間にタイヤの空気が抜けていたり、夕方にはライトが切れたりで、目的地に着いたのは夜。貸しロッジの鍵を管理人に貰い、早朝からの釣りに備えて早々と寝た。翌朝、いざ湖へ行き早速釣りを始めた。ボートを借りて、船舶免許を持っているのは俺とAなので、俺とB、AとCno二手に分かれて乗船することにしました。2艇だし勝負しようって事で別々のポイントへ走り、俺とBの船は順調に匹数を伸ばし、サイズアップの為に色々と走り廻った。
見ると、競争しようと話していたはずのAとCは船には乗らず、陸から釣っているようだった。俺たちも上陸して話を聞くと、がどうしても船は嫌だと言うらしい。船が苦手な訳でもないのに、それどころか帰りたいと言い出したそうだ。車一台で来たのだからと説得し、釣りを続けた。その日、ロッジに帰ってからもCの様子は妙で、男同士の釣行なのにやたらと写真を撮りまくる。次の日もCは船に乗りたがらず、みんなで陸ッパリで釣りをした。理由を聞くと、乗り物に乗っていたくないと言う。その日の晩、みんなで話し合い、翌日は釣りをせずに帰る事になった。Cの様子がおかしいからである。翌日、ゆっくりめに起き、ロッジの管理人に理由を話し鍵を返し清算して貰い、帰路についた。
まっすぐ帰るのもなんなので、どこか立ち寄れる場所はないか探しながら、ノンビリと車を走らせた。日帰り入浴できる温泉をみつけて、風呂に入り仮眠したらもう夕方になってしまっていた。するとCが今夜はココに泊まると言い出した。さすがにみんな怒りだし、泊りたいなら勝手にしろと車に乗り込み、Cを残し車を走らせた。無論、残して帰るつもりはなく、暫らくして迎えに行った。
Cは温泉宿の前で立ち尽くしていた。Cをなだめて車に乗せた。Cは無言で頷き車に乗った。しばらく走るとトンネルにはいった。するとCが突然唸りだした。俺たちは車を停め後部座席のCに注目した。なにか変なのである。最初は気付かなかったが、Cの体がシートにめりこんでいる!Cは気を失いダランとしたまま。俺たちはみんなでCを起こそうと叫んだ。どれ位の時間だったろう。徐々にCの体は飲み込まれていった。残された俺たちはパニックになり、車の中を捜しまわり、車の下で叫び・・・
時間が経ち恐くなった俺たちは、車を走らせお互いの家の近くまで帰ってきた。とにかくCの家に行き親に話そうと、Cの家に行きインターホンを鳴らす。するとCのおばさんが出てきた。なにかキョトンとしている。
「どちら様?」
小学生の頃から知っている俺たちにそう言った。
「おばさん、俺たちだよ」
俺たちは必死になって先程の光景を伝えた。
「あなた達何を言ってるの。変な悪戯はやめなさい」
それでも俺たちは喋り続けた。
「いいかげんにしなさい、警察呼びますよ。ウチにはCなんて子は居ません!」
ガチャンとドアを閉められ、俺たちは呆然となった。何が何だか解らず、俺たちは夜明けを車の中で迎えた。俺とAがどうしたらイイか話していると、後ろで寝ていたBが起きた。Bが「なんでこんな所にいるんだ」と言いだし、なにを寝呆けてるんだと昨夜の話をすると、「C?Cって誰だよ。○○湖には3人で行ったんじゃん。あれっ?なんで予定変更したんだっけ?」
俺とAは血の気がひき、Bを送ると同級生に片っ端から電話をかけた。するとみんなCの事を忘れている。と言うか、最初から存在すらしていないと言う。数日たつと、俺とAはヤバイ薬をやってるとか噂が広まった。
今は知人にこの話はしません。俺もAもだんだんとCの事を思い出せなくなってきた。実際、名字も住んでた家も判らなくなっている。数日後に見ても、自分が書いたって覚えているかどうか・・・けど、忘れた方が楽になれる気がする。