見る人によって色が違う「家畜碑」の鳥居

これは私が職場の同僚とドライブをしていた時の話です。その同僚は同性でいつも報われない恋愛をしている恋愛体質の人でした。その時も当時の意中の人とうまく行かず、深夜に暇潰しのドライブに付き合わされていました。海沿いをしばらく走り、そろそろ戻ろうかと国道に出て戻ろうとして道を曲がりました。しばらく行くと白い鳥居があり、更に進むと砂利道の拓けた行き止まりになってしまいました。その瞬間、ゾワっと鳥肌が立ったのです。

訳も分からず怖くなり、「戻ろう!」とUターンをして戻りました。同僚と、「怖かったねー」と話していると同僚が、「しかもさっき赤い鳥居あったよねー」と言ったのです。私は「?!鳥居白くなかった?!」と言いましたが、「いや、赤だった」と同僚が言いました。しばらく走って鳥居の所まで戻ると鳥居は白でした。「なんで白いの?!」と言った途端、同僚の様子がおかしくなりました。

まるでお婆さんのような話方で「昔はこうゆう車とか歌とかは娯楽って言ったんだ」と言ってみたり、子供のように泣き出して「このお姉ちゃん連れて行く」などと言うのです。しばらく話を聞いて車を走らせながら「明日仕事早いから帰りなさい」と散々説得をしてかなり進んだ所で同僚がハッと正気に戻ったのです。
「なんで泣いてるの私、、、?!」

私は「覚えてないの?」と言いましたが同僚は「分からない」と言いまだ涙が乾いていませんでした。その後コンビニで塩を買って振り撒いて別れましたが、別の知り合いにその話をしたら「そこ、テレビで有名なGA(霊能者)がお祓いに来てここは無理ですって言って帰ったとこじゃない?」と言われました。

その後も私は同棲している家で不思議な体験をしたり、遊びに来た知人が煙が人型になっていたのを見たり、金縛りに遭った後枕元のすぐ横にハサミが刺さっていたり、恋人が自分の死顔が脳裏に浮かぶと言って見たり散々でしたが今は何ともありません。しばらくその同僚はあの場所に行こう行こうと取り憑かれた様に言っていて何度か付き合わされましたが昼間に行くと、鳥居は木の鳥居で、横に家畜碑と書いた木の棒が立っていました。あれは食肉になった家畜を弔う場所だったのでしょうか、、、

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