2年前の正月休みに、大学の仲間とドライブにいったのよ。高知にある仲間の実家へ一泊して帰ってくるプラン。運転は交代で、途中で疲れたら車内泊。で、1日目の夜に四国入りして、高知までは後4時間くらいだがさすがにばてて、一休憩しようって話になった。自分は道中寝ていたせいもあり眠くないが、夜の運転に自信がないので同意した。街灯は道の前に1本あるだけで、暗がりばかりで周りの景色は分からないが、なんとなく山間の道のような気がした。眠れないけど目を閉じて、周りの風景を妄想しながら5分くらいたった。突然妄想の中にリアルな一つ目小僧が出てきた。小坊主の姿にでかい頭、大きく見開かれた目。乾燥した唇や、瞳の奥行きまで、自分の想像が生み出したとは到底思えない姿で、今まで妄想していた山々をヒョイヒョイ飛び跳び遊んでいる。(かなりのでかさだよね)怖いと言うよりびっくりした。夢かもしれないけど、未だかつてこんなリアルな夢を見たことがない。自分の普段の夢は、もっと曖昧な世界をあえいでる感じ。
起きているわけだから目覚めない。見ているわけではないから目を閉じられない。目を開ければ消える妄想のはずと思ったが、もし目を開けて現実でもこの一つ目小僧が目の前にいたら、と思うと目が開けられなかった。ずっとぴょんぴょん跳ね回る一つ目小僧の想像を、全身汗ばみながら眺めていた…しばらくの時間ずっと一つ目小僧を眺めていたら、意識が遠のくように寝ていた。というか気づいたら外は明るくて、車はもう友達の運転で走ってた。はっきり覚えてるけど夢だったと思った。慣れない旅でいつもと違う夢だったと。外を眺めていると道は県境の山間。あ~こんな山間だったなあ、なんてぼけーっと眺めていたら、仲間の一人が「そういや昨日一つ目小僧の夢見た」と言いやがったよ。ほかの奴が「おれも!」とか。俺は怖くて名乗らなかったが、4人中3人が一つ目小僧の夢(?)を見ていたらしい。二人の話を総合すると、リアルで巨大までは一致、二人の一つ目小僧は、襲いかかってきたりニヤニヤ笑っていたりしたそーだ。もしかしたら一つ目小僧の発祥の地って、あの辺じゃないかと思ったよ。確か香川の真ん中あたりだったはず。