【隠れ里】酒が湧く見知らぬ里山に入った某修行僧の伝説

隠れ里伝説だとちょっと変わったのがこれ。
修行僧が大和の国で修験道を歩いているうちに道に迷い、見知らぬ山里にたどりついた。のどが渇いていた僧は里の入り口にある泉で咽喉を潤そうとしたら、湧いていたのは水ではなく酒。それまで飲んだこともないような美味だった。

僧を見つけた里の者たちが集まってきて、僧を取り囲む。僧がここはどこかと尋ねると、人々はここは隠れ里で、よそ者に知られると困るからお前を殺すと言った。僧は仏に誓ってこの里のことは誰にも言わないから助けてくれと嘆願し、帰り道を教えてもらう。

しかしこの僧は家に帰ると、酒の泉の郷を見つけたことを自慢してまわり、血気盛んな若者たちがこの里を奪って酒を我が物にしようとたくらみ、僧を道案内にして山に入って行った。何日たっても、誰一人として帰ってくるものはなかった。

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