小学2年生の時の話。ある日、急に指が痛くなった。右の小指の先っぽが。別に何をした訳でもないんだけど、妙にズキズキする。なんでかな~と思ったけど、そんなに痛くなかったから2、3日放っておいたんだ。そしたら日に日に痛みが増して、腫れてきた。その腫れ方も何か変で、小指の先だけ黄色くなってパンパンに腫れた。怖くなって親に見せたんだけど、「また怪我したの?馬鹿ね~」で絆創膏貼って終わり。お母さん、傷もないのに絆創膏って...orz
まあそんなんで治る訳もなく、小指を腫らしたまま連休明けの学校へ行ったんだ。指はちょっと触れるだけでもすごく痛くて、絆創膏の上から自分で包帯をグルグルに巻いてた。友達や先生に心配してもらってちょっと嬉しかったwだけどその日は不運にも図工の時間があって、葉っぱとか枝でオブジェみたいなの作らなきゃいけなかった。誰も手伝ってくれない中(まぁ当たり前か)、包帯でグルグルになった小指を庇いながらモタモタと作業してたのだけど、そこへようちゃんがやって来た。
ようちゃんはクラスメートの男の子のことだ。お調子者でおバカで、ちび〇る子ちゃんに出てくる山田くんをそのまま実写化したみたいな子だった。そんでもって私と同じ宿題忘れの常連でorz、いつも二人で居残りさせられてたから仲は良かった。手伝ってくるのかと期待してたら、いきなり「ちょっと指見して」って。包帯取るの面倒で嫌だったけど、普段ニコニコしてる彼の顔がとても真剣だったので、黙って包帯を取った。
相変わらずパンパンに腫れた小指を見せると、ようちゃんの顔はますます険しくなって...いきなり指をギューっとつまんできた。
腫れあがった指先を力いっぱいつままれ、私はビックリするわ痛いわでヒィッ!と悲鳴を上げた。やめてやめてと泣き叫んでるのに、ようちゃんはずっとつまんだままだし、周りの子たちも止めてくれない。それどころか、私が泣いてるのに全然気づいてないみたいだった。そのうちようちゃんは、今度は指をゴリゴリと擦り始めた。例えるとユリ・〇ラーのやるスプーン曲げのアレみたいに。私は更に大泣き。あれは死ぬかと思うくらい痛かった。。。そんな私をようちゃんは指を擦りながら、「痛くても泣かないの!もうすぐ出てくるんだから」と言って先生みたいに叱った。何が出るの~と泣きながら見ていると、指 か ら 何 か 出 て き た 。
ようちゃんがゴリゴリと擦り続け数十分、それは指から押し出された。1cmくらいの、黒い棒状のものが。鉛筆の芯みたいだったけど、もっと固くて真っ黒だった(書けなかったし)。なんでこんなものが?こんなの指に入れた覚えないよ?今だからこそ不思議だし、疑問に思えるけど、その時の私には感動しかなかった。その黒い棒が取れた瞬間、痛みがさっぱり消えたのだ。あんなに腫れてた指が元通り、しかも指を突き破って出てきたハズなのに傷ひとつ付いていなかった。「ようちゃんすごい!ありがとう」と私が言うと、ようちゃんは「よかったね〇〇子、これでしばらく黒いのは溜まらないから大丈夫だよ。と、いつものニコニコ顔で言った。
しばらく?溜まる?どういう意味?ここも疑問に思うべきなのに当時の私は完全スルー。ともかく治ったのが嬉しくて他のことはどうでも良かったみたいですorz
その後はお互い何も無かったかのように図工の作業に戻り、そして私が転校して別れるまでその日の事が一切話題に出されることはありませんでした。あの黒いものは何だったのか、何故私の中に入っていたのか、今となっては分かりません。なんか急に彼を思い出して懐かしくなったので、深夜にもかかわらず書いてしまいました。長文駄文申し訳ない。後日談とかもありますけど、これ以上は迷惑かもしれないのでまた今度にします。