2月の話です。私は市街から離れた町に家族と住んでいます。自宅は公道から私道に入ったところにあります。私道は先で鉄柱があり車は通り抜けできませんが、近道になるとかで徒歩の学生やバイクはよく通って行きます。
休日昼間にソファに寝転んでテレビを観ていると『キキー!ドン!ガコーン!』と音がしました。
ソファの裏に窓があり、庭を挟んで私道が通っています。私は慌てて起き上がり窓から外を見ました。すると転がっている原付バイクとおじさん・・・と原付バイクの荷台のケースみたいなものを掴んでいる男の子。
男の子は小学校低学年くらい(男の子はしゃがんだ状態だったのでもっと小さいかも)。おじさんは背中をこちらに向けているため様子が分かりません。また男の子に目をやるとこちらをじっと見ていました。なんというか、生気がないというか、とても色白の目が細い男の子・・・。
私はケータイを持って家の外に出ました。おじさんに声をかけると「あー大丈夫大丈夫。あーでもちょっと痛かね。」と起き上がって私に顔を向けました。顔の半分が擦りむいたようになっていて血が出ていたので、救急車と警察を呼ぶことになりました。その頃には近所の人たちが出てきて4、5人集まっていました。しかしあの男の子はどこにもいません。家から出た直後もいなかったように思います。近所はジジババばかりでそんな年頃の男の子は見かけたことはありません。(通り抜ける学生達はせいぜい中学生か高校生です。)あの男の子は何だったのでしょうか?こんな寒い日に半袖なんか着て・・・
実はこの話には後日談があります。おじさんの事故の日家族はおらず、私ひとりだったので、帰ってきた家族に男の子のことは伏せて事故の話をしました。すると母が「半年前くらいも前の家の人がうちの塀に車で突っ込んだことがあったねー。大した事故じゃなかったけど、こんな短い期間に同じ場所でまた事故なんて。あんたも気をつけなさいよー。」と私に言って、それから父に「あの時◯◯さん(前の家の人)『男の子がいたからよけようと思ってぶつかった。』って言ってたじゃない?なんか居るんじゃない?なんてねー。」と話しているのを聞いてゾワっとしました。そういえば時々庭にたんぽぽが投げ込まれていたり、私道に面した庭のフェンスに葉っぱが挟まれていたり・・・学生の悪戯と思っていましたが、もしかすると・・・