海で遭難しそうになった時に奇妙なものが現れて助けてくれた話

まだオレが可愛らしい子供の時に浮き輪で足の届かない海域までいってしまった。足は届かないし恐くてどうしようと思ってたら、足にヌルヌルした感触が・・見ると頭を踏み付けられる形でクラゲがいた。たぶん俺より大きかったと思う。

そしたらクラゲが「ボフン」って感じでオレを浜辺側に押した。その時「あ、戻らなきゃ」って思い泳ぎはじめたら、オレを先導するようにクラゲが俺の先を泳ぐ、なんかさ、クラゲの泳ぐ姿が神秘的でね、その姿だけ見て泳いでたよ。途中疲れて休むと、クラゲも海からヒョッコリ頭出して待っている。そんなクラゲが可愛くて触ろうと近付くんだけど、クラゲは一定の距離を置いていて、触らせてくれなかった。

そしてしばらくクラゲ見ながら泳いでたら兄貴の声が聞こえる。いつの間にか浜辺付近まで来ていた、するとクラゲはオレの股下をくぐり、沖の方へ消えて行ってしまった。感謝の気持ちと、消えて行くクラゲの姿がなぜか悲しくてワンワン泣いてしまった。それからしばらくは「あのクラゲは姿を変えられた人間なんだ」と、勝手に思ってたよ。

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