それでは体験談を一つ。この話を聞いた後、皆似たような体験をするらしいので注意して。
俺が中学1年のときのこと。あの頃、ラジオのオールナイトニッポンを聞くのが日課だったんだけど、聞き終わって明け方近く寝るタイミングでよく金縛りにあっていた。
金縛りになる直前いつも「あっ金縛りになるな」て雰囲気でわかるんだけど、その日もそんな雰囲気になっていた。「あっ来るな」って思った瞬間、耳元で「切手と湖、どっちがいい?」という声が聞こえて目の前に切手と湖が唐突に現れた。この意味不明の質問に対して底知れぬ恐怖を感じながら「何言ってんの?馬鹿じゃないのか」と精一杯の強がりで抵抗した瞬間、布団の中の足元で何かがガサガサって動いた。そして俺は金縛りになった。いつもより長い時間で相当苦しんだ。
このままだと死んでしまうと思った瞬間、ふと身体の力が抜け、幽体離脱って言うんだろうか俺は天井をつき抜けフワフワと空に浮かんでいった。宙に浮かんで見る自分の家の外観、そして近所の風景、これは夢でなく現実だと思った。「神様、助けて」と心の中で叫んだ瞬間、布団の中で我に返った。あの質問にちゃんと答えていたらどうなっていたんだろうと今だにぞっとする。