遠足で行った『腐の泉』での不思議な体験

昔さ、学校の遠足で近所の山登ったんだよね。で、俺らまだ小さな子供だったから、最近になって開かれた比較的平坦な道を登ったわけ。新しい道だから、階段とかあるし、道案内もあるし、結構整備されてるんだこれが。

半分くらい登ったところかな、泉みたいなのがあってね。まぁ、これも後になって作られたものみたいで、傍に『山から引いた水なので飲めます』みたいな綺麗な看板が立ってた。俺は、なんかクサイ匂いがしたからから飲まなかったけど、女の子とか水筒に汲みとってた。『空気が綺麗だし、涼しいから』ってことで、そこで一旦休憩することになったんだけどさ。そのね、説明しにくいけどなんか変なんだよね。違和感があるって言うのかな、とにかくその空間に対して『どこかおかしい』って思った。

山なんて登るの初めてだったからおかしいもおかしくないもないんだろうけど、とにかくなんか妙な感じがあってさ。まぁ、結局なにも解決しないまま休憩時間も終わって皆で頂上まで登ったんだけど。漸くそこで何が『妙』だったのかわかったよ。

俺たちが登ったの、初夏の頃だったんだ。だから、頂上から見た山の木々も青々と芽吹いてた。でも、休憩した場所にあった木はみんな茶色い葉っぱだったんだよね。枯れ木みたいな感じでさ、全然生気が無かったの。まぁ、そこだけ土壌が悪くて枯れてたのかもしれないし。でもさ、俺は多分、原因はそばにあったあの泉だと思うんだ。

泉で水もってきた女の子がね、山を降りる途中で水飲もうとコップに出したんだよね。そしたらさ、出てきたのは水って言うよりも泥みたいな、腐った『何か』が出てきた。それが何かは分からないけど、とにかく何か悪いモノだったんだと思う。まぁ、なんとか無事に下山はできたけどね。確かに、人間が生きるために山を切り開くのは仕方ないとも思うけどいつまでも開拓し続けるって言うのは正しいことなのかなって思ったんだよね

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