遭うと病気になる『山みさき』の伝説

先日、近くの山すその道を歩いた。途中でかつてない倦怠感と脱力感に襲われた。どうしたのだろう。ゆっくり歩きながらも心細くなってくる。やっと家に帰り2時間ぐっすり寝こんで眼が覚めたら、私は祖母から聞いた「みさき」の話を思い出した。

私の郷里では、山や川で気分が悪くなったりすると『それはきっと山みさきに遭うたのだ』と言った。みさきは目には見えない神の使者か山の精のようなもので、年中山や川を巡っていて、偶然それに遭うと人は病気になったりする。

そう聞かされて子供心にも自然に対する畏敬の念を持ったものだった。その頃は大人も木や石の盗掘などしなかったような気がする。辞書をめくってみると『御先、御前』として同じようなことが載っていた。下の妹にこの話をしたら『聞いたことがある』と言ったが、他の妹たちは『岬なら知ってるけど」。

これも私たちの年代で消えてゆく話なのだろう。

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