【某村の掟】「山神の祭り」の日に山に入った男の話

村の年寄りに聞いた話。山の神の祭りの日に、山に立ち入った男がいた。いつものように自分の山を見て回る。ふと辺りに何ものかの気配を感じ、思わず立ち止まった。そのとたん、肩を凄い力で下に押さえつけられ、足が地面にズブズブと沈んでいく。

とっさに「御免!御免!」と謝ると、肩を押さえる力が一瞬弛んだ。男はその隙に逃げ出したが、後で年寄り達に呼び出され、ひどく怒られた。
「もう少しで木にされるところだったんだぞ」
年寄りの一人がそう言ったそうだ。

メールアドレスが公開されることはありません。