廃村の神社にお参りに来た真っ白い大きな猿の話

友人の話。彼女の実家は山奥深い村だ。今は廃村となってしまったが、そこで奇妙な物を幾度となく見たという。

山中の神社で隠れん坊をしていた時のこと。隠れていると、境内から「あっ」という驚いた声がする。何事かと見やると鬼役の子が参道で立ち竦んでいた。その傍を大きな真っ白い猿が、堂々と歩いて通り抜けてくる。背筋をピンと伸ばして二足歩行。妙に人間臭い歩き方だったという。猿は宮の前まで行くと、賽銭箱に何やら投げ入れた。コトンと硬い音。そして少しの間、頭を垂れる。願掛けでもしているのだろうか。

やがて見守る子供たちを気にかけた風もなく、猿は神社から出て行った。自分たち子供を含め、周りの大人より余程立派に見えたのだそうだ。

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