山奥で見た花柄のスカート

友達の話。学生時代林業科に所属していた友人の卒業研究は、山の木の落下物を調べる事だった。ある日、彼女がゼミの皆と山に入って落下物を拾う為の網を設置していると、目の端の方に時々花柄らしきスカートがふわりとよぎる。あれ?と思って顔を上げても、もちろん誰も居ない。グループの中で女性は彼女だけだし、スカートで登れるような場所でもない。

元々見えてしまう体質の彼女は、気にしないように作業を続けたけれど、そんなものを見たのはその時一回だけだったそうだ。それよりも、網を設置したのを何者かに壊されて、卒論が書けなくなりかけた事。その壊した者が、どうも熊だったらしい事(毛が付着していたそうです)。こっちの方が怖かったと、動じない性格の彼女は笑っていた。

メールアドレスが公開されることはありません。