【宮城】その村の住民は、みな小指が切断されていた

母方の祖母に会いに行ったときの話。




私はまだ母方の祖母に会ったことがなく、もう長くもないだろうということで前の土日で会いに行くことになりました。会ったことがないというのも住んでいる場所が遠いのです。

私は中国地方のとある県で、祖母は東北地方に住んでいます。道中はとくになにもなかったのですが、新幹線で目的の駅までつくと、親がレンタカーを借りるというので、少し違和感があったのですが、すぐにどうしてかわかりました。祖母の住んでいる場所はとても山奥にあったのです。いわゆる集落というのでしょうか。

私は集落というものに行ったことがないので詳しくはわかりませんが、とにかく村のようなものでした。古めの家が数十軒あり、人もちらほら見かけたので、それほど小さな規模というわけではなかったと思います。朝早くに出たのですが、祖母の家につく頃には日が暮れていて、くたくたでしたが、とりあえず、祖母に挨拶をしに行きました。

もう結構な高齢で、100歳近いといっていましたが、とても口調がはっきりとしていたのが印象的でした。その日は祖母の家でご飯を食べて眠りにつきました。祖母がいた場所の地名はよくわかりませんが、宮城県です。私は岡山県に住んでいます。

次の日、目を覚まして朝食を終えたあと、祖母の家に村の人が野菜や食べ物を持ってきてくださって、宴会のようなものを催してくれました。お酒もあって、父や村のおじさんたちが飲め始めたりもして、私はお酒は飲まないので、ごちそうを頂いてました。

しばらくすると、子連れの方も来たりして、私はなぜか小さい子に好かれるみたいで、よく親戚の子の相手もするのですが、何人かの小学生らしい子供が寄ってきて、一緒に遊ぼうというようなことを言われたので、母に確認をとって外に出ました。祖父はもう亡くなられています。私が産まれる前だったので会うことはできませんでした。

そうしてしばらく遊んでいたのですが、ある異変に気がついたのです。それは、決まって子どもたちの小指がないのです。気になってしまったのですが、そんなことを聞くのは気が引けるので、気にしないようにしていましたが、やはり気にはなってしまいます。子どもたちと一通り遊び終えて、15時くらいだったでしょうか、祖母の家に一旦戻りました。

しかし、小指のことが気になって他の人も観察したのですが、なんと他の村人も同じように小指がありませんでした。私は切断された指を今まで見たことがないので、はっきりとは言えませんが、多分意図的に切断してあるのではないでしょうか。あまりじろじろ見ることもできなかったのでわかりませんが、断面が綺麗であるように見えたからです。

驚いたというよりは、不気味さを感じました。そこで私は聞いてはいけないように思えましたが、母親に聞いてみると、案の定教えてはくれませんでした。ちなみに、母親には小指があります。ここで生まれたわけではないからでしょうか……

しかし、私はやはり人間なのでした。好奇心には勝てず、この村であと聞くことができる祖母に聞いてみることにしました。祖母は私が遊びに出るまでは宴会に参加していたのですが、部屋に戻っているようなので、好都合だと思って部屋を訪ねました。祖母に経緯を話し、話してくれないだろうかとお願いしました。この時点で確認しましたが、やはり祖母にも小指はありませんでした。

しかし、祖母も結局は話してくれませんでした。話をしてもらえないと余計に気になるものなのですね。私はなんとか子どもたちから聞き出せないかと思い、また、外で遊んでいた子どもたちの輪に入りました。私が目を着けたのはやんちゃな感じの男の子で、口が軽そうだと思ったので。さりげなく小指のことを聞いてみました。

すると、逆になぜあなたには小指があるのかと、聞かれて、この村ではこれが普通なのかと思い、ますます不気味になりました。その子は、小指はこの村を守ってくれているというような話をしてくれました。私は守ってくれているという言葉の意味がよくわかりませんでしたが、その男の子はどこにあるのか教えてあげると言って、小指がある場所に案内してくれました。

そこは村のはずれにある山で、階段が上に続いていたのですが、鳥居のようなものがあり、神社かな?と思ったのですが鳥居の通る部分に立入禁止と書かれた板と、有刺鉄線で入れないようになっていました。私が入ってみようと近づくと、男の子が「入っちゃだめ!」と、いままでと違った様子で怒鳴られたので、入ることはせずそのまま帰ることにしました。

それからその日の晩に、もう一度祖母にその日あったことを話すと、ものすごい形相で怒鳴り散らされました。しきりに何度も「そこには入らなかったんだね?」と聞かれて、やっぱり話しておくべきだと言って小指についての話をしてくれました。箇条書きにしてみます。
・小指は、生まれてから丁度一歳の誕生日に大人によって切断される。
・その風習は、祖母が生まれる前からある。
・切り取られた小指は、『はこ』と呼ばれるものに入れられて、山の上にある神社にそなえられている。
・大人以外が近づくと良くないものをもらう(意味合い的には呪われるということでしょうか)
それからはただ帰るだけだったので、特になにもありません。

『【宮城】その村の住民は、みな小指が切断されていた』へのコメント

  1. 名前:匿名 : 投稿日:2016/01/18(月) 19:35:05 ID:
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    因習か
    しかし初めて知ったけど岡山って大都会なんだね
    小さくない規模の村を集落と名付けて、バカにできるほどの

    いや、宮城の集落のこと、知らないんだけどさ

  2. 名前:匿名 : 投稿日:2017/05/13(土) 00:18:29 ID:
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    自分東北の出身だが
    集落って地域くらいの意味合いで普通に使うからそこに別段違和感抱かなかったが…

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