集合住宅に住んでるんだけど、そこのゴミ捨て場に結構な量のVHSテープが紙袋に入って捨てられてた。何気なく目についた一本のVHSにはラベルが貼ってあり、昔好きだったドラマの名前が書いてあった。再放送もない、DVDにもなってないようなレアなドラマだったんで、悪いことと知りつつそのVHSを一本拝借。見終わって元のゴミ捨て場に戻しに行ったんだけど、他のVHSも気になっちゃって、深夜で人通りも無いのをいいコトに紙袋ごと家に持って帰った。
中にはラベルの無いVHSもあり、一本一本中身を確認してた。そのほとんどが懐かしいドラマやバラエティ番組が録画されていて、これはいい暇つぶしになるな……なんて喜んでたんだけど、最後の方の一本を再生させると何やらホームビデオのようで小さな女の子の誕生会を撮影したものだった。
その映像自体、気味の悪い物ではなかったけど、他人のプライバシーを覗き見てるようで申し訳ない気持ちになって、VHSを取り出そうと停止ボタンを押そうとした瞬間、場面が変わった。真っ暗な画面で女の喘ぎ声のような「うっうっうっ」って声が聞こえて、これはもしや夫婦の営みを撮影したものか……なんて思ってたら女の人が写った。
何やら泣いている。黒い服来て嗚咽する女性。そして次に写ったのは棺の中で青白く眠る小さな女の子。血の気が引いた瞬間、急いで停止ボタン押して取り出そうとするけど、そのVHS出てこない!こんな時に限って幽霊とか信じないけど、恐怖でパニックになりながら真夜中に裸足のままデッキごとゴミ捨て場に捨てに行きました。