昔うちのおばあちゃんが、海で魚を取って山の家に帰るときに、奇妙なことをしていたのを覚えている。他に釣れた小さめの魚を大量に残しておいて、その小さい魚を道に点々と置きながら「この魚はやるからワシの手に持ってる大きい魚は取るな」と声を大きく出しながら帰っていた。
あるとき、小さい魚が思った以上に手元にない日があった。いつものように声を出しながら帰ってたけど、途中で置く魚がなくなってしまった。すると、またたくまに霧が出てきて、いつまでたっても家に帰れなかったんだって。そしていつもの2倍くらいの時間歩いたあとに急に霧が晴れて、やっとの思いで家に着くと魚は骨だけになっていたんだって。