【アステカの祭壇まとめ】ある残酷な儀式に使われた祭壇が日本の至る所で撮影された怪事件

「アステカの祭壇」という都市伝説をご存知だろうか。1990年代後半から2000年代前半、かなり世間を賑わせた呪いの心霊写真にまつわる都市伝説だ。ことの発端は「奇跡体験アンビリバボー」というフジテレビの番組内の心霊写真特集。番組内で放送された心霊写真の中に赤い盃のような形のものが写り込んでいる。番組内で霊能力者が言うにはその盃は古代、残酷な儀式をするために使われた台であり強力な怨念がついているという説明をして番組は終わった。この放送のあと不思議なできごとが起こった。

まず最初に番組終了後、フジテレビに問い合わせが殺到した中には霊能力者と自称する者も多数いたといい、
「なんてものを放送したんだ!」
「二度とあの写真は公の電波に乗せてはいけません。」
と言った意味深な忠告が多数あったという。スタッフが理由をたずねても問い合わせをした人は詳しいことは言わず電話を切ってしまったという。

そして、それから数日後、またしてもおかしな事件が起こる。「アステカの祭壇」の写真と同じような盃がうつった写真がフジテレビ宛に何百枚と送られてきたのだ。それぞれ撮影場所も時間もバラバラだが、かならず「アステカの祭壇」が写っている・・・。

「今、日本でアステカの祭壇がこれだけ多く写真に写るとは…。何が起こっているんだ……」  実は番組では、写真は投稿者から送られてきたものとなっていたが、本当のところは霊能者から持ち込まれたもので、ヤラセに近い演出だった。しかしその後の反響や続々と送られてくる同様の写真に、番組スタッフは恐怖を覚えたという。さらにその霊能者は「もうこの件には関わりたくない」といって一方的に音信不通になってしまったという噂である。

霊能力者がアンビリバボーで語った儀式とは古代アステカ文明で行われていた太陽へのいけにえの儀式のことであり、生きたままの人間を儀式の台の上におき、心臓をえぐりだし太陽神に捧げるという残酷なものだった。いけにえとなった者の呪いは強力すぎて時代がすぎた今でも心霊写真として映り込むという、「アステカの祭壇」の都市伝説となった。

都市伝説が流行してしばらく経ち、「アステカの祭壇」の真実が明らかになった。日本中バラバラの場所で取られる不気味な”盃の心霊写真”であるアステカの祭壇。実はこの写真はカメラの金具が映り込むことで発生する撮影の不具合だったのだ。フィルムを取り出す時に間違って光を当ててしまうと二重露光のようなかたちになり現像される写真にカメラの部品の形が移り、写真全体の色が赤っぽく変色してしまう。これが「アステカの祭壇」のタネだった。

その証拠に「アステカの祭壇」が写っている写真はフィルムの1枚目か1番最後、つまり光が当たりうる写真だけなのだ。しかも、デジタルカメラが普及した現代でアステカの祭壇が撮影された。という話はぱったりと聞かなくなった。

「アステカの祭壇」を見たプロのカメラマンがこの現象を見ぬいて都市伝説は一気に収束してしまったという。番組終了後に霊能力者から連絡があったとかいう内容がちょっと気になるが何はともあれ「アステカの祭壇」は呪いでも何でもないただの”撮影ミス”だったのだ。

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