魔法が使えるようになった幼馴染の末路

僕が中学校に上がりたての頃、向かいの家に1コ下の幼なじみがいたんだ。いわゆる不思議ちゃん系の娘で、いつかは魔法使いになって空を飛びたい、なんて言う可愛い思考を持ってた。時々魔法のつえと称して、木の枝の出っ張った部分をカッターで切り落としてハリーポッターのつえとか作ってたっけ。

ある日、夜中にその幼なじみの声が窓の外から聞こえて目が覚めた。カーテンを開けるとパジャマを着た全身の輪郭が白く光る彼女が浮いていた。
「やっと本当の魔法が使えるようになったよ~♪」
屈託なく笑っていて、それがすぐに夢だと気付いた。手を伸ばせば届きそうな位置で浮き上がる彼女。
「ちょっと星空を散歩してきまーす」
なんて言って空を飛んで行ってしまった。そこで夢が終わって、気がつけば朝になってた。

学校に登校する時間になって、向かいの家のお母さんが僕の家に来て「ウチの娘がいないんです!」って凄い形相になってた。どうやら夜中にどこかに行ったのか、連れ去られたのか。僕も心配して学校の授業どころではなかったが、昼前に母から電話があった。
「〇〇ちゃん(幼なじみ)、橋の下で亡くなってたそうよ」

夜中に橋から飛び降りたんじゃないかという話。パジャマ姿で橋の支柱に引っかかってたらしい。事故現場は見ていないが、多分あのパジャマなんじゃないかと思う。

『魔法が使えるようになった幼馴染の末路』へのコメント

  1. 名前:匿名 : 投稿日:2017/02/15(水) 09:50:08 ID:
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    何か哀しい…

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