焚き火の中で蠢く「或るモノ」の正体とは

先輩の話。キャンプでのことだ。山でテントを張り、独り夕食を済ませた。ぼんやり、たき火をみていると、火の中で何か動いている。

目をこらして見ていると、炎をまとった小人が踊っていた。驚きつつも、その軽快な踊りに見とれていると、最後にその小人はぺこりと彼にお辞儀をし、ぴょんと火の外に飛び出た。
すたたたっ
火のついた小人は一目散に薮に駆け出した。彼はびっくりした。山火事になっちまう!

幸いにも、あと少しで逃亡成功、というところで小人は転び、あえなく水筒を持った彼に消火されたそうだ。可愛く見えても、山にでるやつらにゃ注意せにゃならんぜ? 彼はにやりと笑った。なんせ、人間じゃないからな、何しでかすかわからんよ。

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