防空壕跡から聞こえてくる叫び声

山が目の前な田舎に住んでいる。小さい頃は結構年齢関係無く遊んでたんだが、一時期山の中に探検(秘密基地作り)を小学生六年~四年生で数人集まってするのが流行った。小学生って結構毎日暇じゃん?だから毎日結構な人数集まってたんだ。ある日、たまたま人数が集まらない日があって、俺と友達A、双子のBとCの四人で山へと向かうことになった。

山へと進むにつれ興奮が増す中、銃声が聞こえてきた。まぁ猪への威嚇とかそういうもんだろうと思いながら「今銃声聞こえたな」と確認すると、BとC
は口を揃えて「そんなの聞こえなかった」と言う。「結構大きい音だったのに」と思ったその時だ。
「コラー!!!!」
怒鳴り声が聞こえた。こっちに向けて言っているような男の人の怒鳴り声。「今の怒鳴り声…まずくないか!」 と言うと、またしてもCがなんのことやらという様子だ。これに皆異変に漸く気付いて、取りあえず近づいてきてるかもしれないから静かにしてっていって黙ってもらった。だが足音はしない。辺りに誰もいない。あの声は完全に此方に向けて言ってるようなものだったのに。

まぁ後日談なんだけどその山をもう少し進むと防空壕があるらしい。若しかして、危ないからと兵隊さんかなんかが引き止めてくれたのかな、と思った。
以後その山に近づく子供たちを見かけなくなったよ。

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