山道の箕を纏ったのっぺらぼう

そう言えば、ウチの祖父は山でのっぺらぼうと遭遇したそうな。まだ午前中、山道で蓑をまとった人と擦れ違った。しかしよくよく見ると眉毛以外の顔のパーツが無い。「こりゃ狸か狐か」と思い、道端に置いて行こうと荷物から御握りを一つ取り出そうとすると、泥だらけの掌を見せて「まあ待て」という仕草をし、溜息のような音を立てながらそのまま歩み去ってしまった。

遠慮深い狸か狐か、あるいは山の神様か、いずれにせよ失礼な事をしてしまったのかもなぁ、と
祖父は申しておりました。その出来事の前後、特に不幸も異変も無かったとか。

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