神社の陰で蠢くもの

2年前の夏、友人4人で海に行ったとき、一人が「どうせなら今夜は肝試しをしよう」と言ってきた。「別にいいよ」と返すと、「じゃあ、○○岬でいこう」と、車で30分ぐらいかけてわざわざ移動。ビールも飲んでいたしテンションも高かったからさして苦にならず、騒ぎながら○○岬の神社へ到着。
「霊感もないし、別に怖くねーw」とか言ってたけど、友人の一人が突然ぐずりだした。
「あぁなんか見える・・・」とか言ってた。




そういうの全く信じていなかったから、「はいはい、見える見えるw」とか言ってたんだけど、そいつが指差す方を見ると、確かに何かが動いている。ふらふらというかゆらゆらというか。
根が小心者の俺は怖くなったから、やっぱりやめようかと声をかけようかと思っていたとたん、「やめろー!やめろー!」と確かに2度、神社の奥から叫び声が聞こえてきた。
友人たちもびっくりして急いで車に避難、その場を離れた。

帰り道、「さっきは、やばかったな」なんて話していると、「実は逃げるとき肩を引っ張られた」とか、「俺は足が異様に重かったとか」言い出して、「まじかよ」と俺。
この時点で完全にびびってた俺は、「さっきあの『やめろー』って言葉の前、実は俺やめようかと思ってたので、見透かされたみたいで怖かった」と言うと、友人たちは「そんな言葉聞いていない」と言った。
「え、俺ら一斉に逃げ出しだのは、声が聞こえたからじゃねーの?」と言うと、「動いてたやつが突然大きく広がって消えたから」とか、「神社の横に女の子が見えたから」とか、みんなばらばら。
結局なんだったんだってことになり、結論も出ないまま帰宅した。

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