神社にある老木の注連縄

知り合いの話。

彼の実家は、山の神社で宮司を務めている。
正月でなければ訪れる人も少ない小さな社だが、その本殿の裏に奇妙な老木があるのだという。
一見普通の木なのだが、幹の中程に注連縄が巻かれている。
そして、何故か周りにバリケードが築かれていて、簡単には近寄れないようになっているのだ。




ある時、宮司である祖父に、どうしてそんなことをしているのか尋ねてみた。
祖父は木の方を指差して答えた。
「あの木のあそこ、大きな洞(うろ)があるだろう。丁度お前くらいの子供の頭と、同じくらいの高さに。あの中には『後神(うしろがみ)』って呼ばれてる神様がいるんだ。あのうろの前で後頭部をさらしてしまうとな、ムンズッと髪の毛を掴まれることがある。すぐに振りほどけるんだが、一度でも髪を引っ張られた子は、遠からず死んでしまうんだ。だから神様といっても、祟り神の類いでな。ああやって御祀りしてあれば障りはないから、近寄れないようにしているんだよ」
そう言われると、暗いうろの中で何かがこちらを見つめているような気になってくる。恐がりだった彼は、実家に帰ってもその木を絶対に避けていた。
大人になった今でも木のうろを見ると、ちょっと嫌な気持ちになるのだそうだ。

『神社にある老木の注連縄』へのコメント

  1. 名前:7c : 投稿日:2016/09/06(火) 02:46:13 ID:
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    MyODAzMDE

    木の根元の土を踏み固めちゃうと、木が弱るからって言われるよりも、子どもには効果ありそう!

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