去年台風が私の住んでる地方を直撃して、裏山が崩れないかどうか家の中から様子を見ていた際、変なものを見た。
家と裏山を挟む道路に、白装束?を纏って、髪の毛を多分腰の下くらいまで伸ばした、四,五歳くらいの子供が、
山を見上げるようにして座ってた。
え、あの子何してるんだろうと思った瞬間、その子がバッと立ち上がって、すぐ近くの木にスルスルと登っていった。
人間の動きというか、チンパンジーとかが木を上るときの動きに近かった。
で、色んな木を伝いながらあっという間に山の頂上付近にたどり着いて、風に吹かれながらずっとゆらゆら揺れてた。
一応外に出てみたけど、もういたはずの場所には誰もいなかった。
見間違いだろうと思っていたけど、同じようなものに父がその後遭遇した。
父は毎朝裏山の周りをウォーキングするのが日課である。
裏山は大体四十分もあれば一周できる程度の山だが、その時は確実に四十分以上経っているだろうにも関わらず、一周できなかったそうだ。
さらによく周りを見渡しても、いつも見ている景色と少し違う気が…
で、ふと上を見上げると、私が台風の時見たのと同じような子が、木のてっぺんに乗っかって、ゆらゆら揺れながらこちらを見下ろしていたらしい。
その瞬間、怖くなって走り出したそうだ。