山で暮らす人々

24年前の話ですが、私の一家と親戚の一家で、長野県の山に行きました。
当時10歳の私と2つ年上の従兄弟は、「探検に行こう」と、
親の目を盗み、宿泊先の民宿から2人で抜け出しました。

山道を進み渓流で遊んでいましたが、時計を見るともう18時です。
民宿を出てから、いつの間にか6時間も過ぎていました。
「もう帰ろう」と歩き始めたのですが、帰り道がよく分からなくなり、
更に適当に進んだ為、完全に迷ってしまいました。

辺りは真っ暗になり、時計を見ると21時を回っていました。
歩くのも止め、岩場に座り大泣きしていると、目の前に2人の男が現れました。
長い髪を後ろで結い髭を生やした男は、何か話し掛けて来ましたが、
その見慣れぬ風貌に完全に引いてしまい、更に大泣きする私達を見て、
男は困った顔をして、私達を残し何処かに行きました。

暫くすると女が1人でやって来て、「大丈夫だから」と、私の頭を撫でてくれました。
言葉はなまりが強く聞き取り辛かったけど、何とか理解できました。

その優しい笑顔に安心し、女に連れられて彼等のテントの様な所に行きました。
さっきの男と私達より少し年上の少女が、テントの前で焚き火をしています。
男が笑顔で「食べろ」と五平餅の様な物をくれたり、優しい人達でした。
その夜はテントに泊まり、翌朝に民宿近くの山道まで送ってもらいました。

民宿に帰ると、地元の人や警察まで出動する騒ぎで、こっ酷く叱られました。
山での出来事を話しましたが、「夢でも見たんだろ」で片付けられました。

あの人達は一体何者だったのか、今でも時々思い出します。

『山で暮らす人々』へのコメント

  1. 名前:匿名 : 投稿日:2016/12/02(金) 15:56:05 ID:
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    山人(サンカ)の末裔かな?
    なまりがきついところを見るとそうかもしれん。
    ただ山人は明治のころには里に下りて今はいないと思う。

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