昔、父が若い頃、墓石を壊す仕事をしてた事があります。なんでも、無縁仏になったお墓をツルハシ等で粉々にして更地にして、新たに販売するらしく、「坊主のやることはえげつない」とよく言ってました。
生活苦の為やむを得ずしてた仕事ですが、霊感のある父にはキツイ仕事でした。ツルハシをおろしす毎に、オレンジ色っぽい人魂が、狂ったように頭の上を飛び交ってたようです。その後の父は苦労の連続で、50歳で不幸な人生を終えました。
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俺も墓石作ったり砕いたりする仕事してる。
んで、作業の中で一番気味が悪いのは、『骨上げ』っていう作業。新しい墓に骨を移す作業なんだけど、古墓だと土葬が多いからたまったもんじゃないよ。まだ髪が残ってる骨とかあるからね。たまに、桶に引っ掻き回した後も残ってたりするし。
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それって・・・生き埋め・・・・
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かもね。無縁仏の墓によくあるよ。誰も墓の中までみないしね。ただ、地元に1人だけボーンコレクターがいて、大騒動になった事があった
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ボーンコレクターの話詳しく
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まぁ、俺らがよく仕事で行く墓地は、普段はほとんど人がいないのよ。夜になると、車も絶対通らない場所なんだ。
四年前ぐらいかな?いっつも夕方になると、1人だけ若い兄ちゃんが来てて、深々と帽子かぶって、その服どこで売ってんの?って聞きたくなるピチピチの黒シャツと、パッツンパッツンの黒皮のズボン履いてた。
俺も職業柄、挨拶はするんだけど、軽く会釈しかしないんだ。まぁ、仕事の邪魔じゃないから気にせず仕事してたんだけど、その兄ちゃんは俺らが墓を解体するのを離れた所から凝視してんの。お墓の解体に興味示す人なんか滅多にいないから、ちょっとおかしいのかなって思ってた。
それからその墓地で仕事する度に見かけるから、声かけてみたんだよ。「この仕事に興味あるの?」って。そしたら「はい」って言うもんだから、嬉しくて(結構毛嫌いする人が多いからね)色んな事喋っちゃったの。
墓の解体はこうだとか、組み付けはこうだとか、骨ツボはどうのこうの。んで、いつの間にか俺らの仕事を少しずつ手伝ってくれるようになって、バイト代を渡そうとしても受け取らなかったんだ。それから、当分その墓地で仕事が無くて、会社で墓石作ってたらお客さんが怒鳴り込んで来た。なんでも、最近身内が亡くなって納骨をしようとしたら、先代の骨ツボが無くなっているって、クレームだったんだ。
「そんなはずはありません。ちゃんと入れました」って言っても、聞く耳持たず。当たり前だよね。結局、弁償って形になったんだけど、その後も同じ墓地から半月に一回の割合で同じクレームが来るからさすがにおかしいって思って、見に行ったんだ。んで、素人目には分からないけど、明らかに動かした後があった(骨ツボが入ってる所付近)。
他の業者がする訳は無いし、あいつしかいないじゃん。でも、確信はなかったから夜に交代で見張る事にしたの。そしたら案の定、兄ちゃんがバール持って辺りを見渡しながら墓地に入って来た。そろ~っと後ろから近付いて、「こりゃ何しとんや」って言ったら、 「ぎゃああああっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」って、パニック状態。
捕まえて事務所で詳しく聞くと、
・骨が好きで性的興奮がある。
・盗んだ骨は瓶に入れて家に飾ってある。
・若くして亡くなった女性の骨は食べる。
・少しぐらいならバレないと思ってた。
完全に気が狂ってると思ったよ。最初は弁償で済まそうかと思ったけど、ここまで異常だとまた別の場所でやりそうだから警察に連絡した。この話は口外するなって言われてたけど言っちゃった。