じいちゃんの遺書

うちのじーちゃんは、とある伝説の持ち主。じーちゃんは何の病気か知らんが、俺がちっさいころに死んだ。そのとき、ハートビートセンサーっていうのか?心拍が止まった時に、「ピーーーーーー」てなる奴あるじゃん?アレが「ピー」って鳴って、脈とって医者が「ご臨終です」って言ったのよ。その瞬間、じーちゃんががばっ!!!!って上半身はね起きて、ニッカリ笑って「根性の勝ちや」って言った。一同、心臓が飛び出るくらいに驚いた。(看護婦さんが、点滴のつり下げる台に引っかかってこけてたのを覚えてる)おかげでじいちゃんの死に顔はニッカリ笑顔だった。そのまま上半身だけ起こした姿で、もっかい死んだ。

遺書にこうあった。昔、軍に居た頃に、先に死んだ同僚が泣き言を言った時に、「根性と気合で人は死をも乗り越える」って言って励ましてた事を今でも気にしていて、ならば自分が試してみれば良いと、実践するから残った者はよく見ておいてくれ。もしそれが出来れば、意思は何よりも強いと言う事だ。私に出来て他の者に出来ぬ道理は無い。私が出来たのなら、それに習って何者にも負けぬ意思で生きてくれ。もし出来なければ、この遺書は燃やせ。恥を残して死ぬのはやんぬるかな。

馬鹿なじーちゃんだ、アホすぎる。おかげで葬式までその話題で持ち切り。まぁ、俺はそれを見習って、この前ホノルルマラソンを完走できた。「ダイヤモンド(意思)は砕けない」を実践したボケジジイだったようで。俺も死ぬ時は心臓止まってから、「我が生涯に一片の悔いなし」って叫ぶか。

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