学生の時に住んでいたぼろアパートの話です。
家賃6万7千円で、6畳にキッチン付き、畳の部屋でした。そこで深酒をしてゲロゲロやりながら眠ると、何回か不思議な体験をしました。
朝の5時くらいになると、布団の下のほうから沢山の手が足をさわる感触があるのです。それがだんだん上に上がって来ると、徐々に声も聞こえてきました。
「あつい…あつい…あつい…」
初めの頃はそこで目がさめていたのですが、4回目ぐらいの時、部屋中が真っ赤に染まって・・・遠くで「カン、カン、カン…」という鐘の音も聞こえるようになりました。あんまり怖いし、酒を飲めないのも困るので大家に聞いてみたのですが、何も教えてくれませんでした。
結局2年生のときに引っ越しましたが、不動産屋の話では、一度家事があって一人焼死したそうです。その後、焼けた部屋の隣に建て増しをした部屋が私の部屋でした。まあ、酔っ払って夢でも見たと言ってしまえばそれまでですが…。なんで手がいっぱいあったんだろう…。