某オカルト同好会による心霊実験の話

こんな話を聞いたことがある。某大学のオカルト同好会なる集団がある実験を行なったそうだ。その実験は地元でも有名な“霊が出る”というアパートで行なわれたそうだ…。

実験の内容を簡単に説明すると“霊が出る”という部屋と普通の部屋を一晩だけ借りて大学で実験用にスカウトした学生にそこで一晩過ごさせどういった反応をするか試すといったものである。ちなみにそのアパートは住人が少なく大家はその実験には快くOKしてくれた。

当日、学生A、Bの2人が各部屋で一晩過ごす事となった。しかし普通にやっては面白くないので、「出る部屋」に泊まるAに「ここは普通の部屋だよ」と説明した。「出ない部屋」に泊まるBには「出る部屋だ」と言って聞かせた。つまり出る部屋と出ない部屋を反対に説明したのだ。ちなみにAとBはもともと地元の人間ではないので、その部屋に関する噂は聞いたことが無い。

翌日、Aは「何も出ませんでしたまぁあたり前ですけど」と一言。Bは「寒気がして寝れなった、ラップ音を聞いた、人の気配を感じた、とても恐かった」と言った。オカルト同好会は予想通りの回答に満足した。そしてAとBに実は出る部屋と出ない部屋は反対だった事を告げた。AとBは「なんだよぉ」
と嘆き、和やかなムードで実験は幕を閉じた。つまり人間は恐い恐いと思っていると精神バランスが崩れ変なものを見たり変な声、音を聞くという結論に達した。

…が、数日後Aが死んだ。あの実験以来、体調が思わしく無かったそうだ。葬儀を終えて何日かした後、オカルト同好会の中心人物(実験の発案者)によく無言電話が来るようになった。そして、それはAの月命日に起こった。実験の発案者にいつものように電話が掛かってきた。またかと思いながらも電話に出ると、Aの声で「おまえを呪ってやる」と…。

その日、実験の発案者は交通事故で死んでしまった。そう、この世には精神状態うんぬんでは片付けられない事もある。

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