後部座席に乗っている「何か」

ある日の深夜1時ごろ、コンビニで立ち読みをしていると目の前の国道を数台の消防車、救急車、パトカーがけたたましいサイレンと共に走り抜けていきました。ただ事ではないと感じ、不謹慎ですがそのあとを追うと、しばらく行った山の近くの集落へ着きました。すでに野次馬がたくさんいて、消防車は道路脇の草群に放水してなにかを消しているようでした。事情聴取をされている人もいて、なにかあったに違いないことは想像できました…。

急に寒気を感じ帰ることにしたのですが、いつもは国道を通って帰る道を、その集落に行った為、近道となる山道を帰っていました。それが間違いだったのです。坂を登っている時は、普通だった車のアクセルが登りきった途端、なんの前触れもなく反応を示さなくなりました!!ガス欠でもないし、日頃から点検しているので故障も考えられません。

一人でテンパっていると突然、後部座席でガタガタと物音がし始め窓ガラスもドンドン叩かれているようでしたが、ミラーで確認する勇気はもちろんなく一心不乱に前を見続けていました。幸い坂は登りきっていたので、あとは惰性で明るいところまで出ることができ、するとアクセルも普通に反応を示し、物音も収まりました。その日は帰ってすぐ布団をかぶって寝ました。

後日、新聞をめくっていると…女姓が、車で焼身自殺をはかったとの記事を見つけ、まさかと思いながら文字を追うと日時、場所ともにまさに私が行った日、場所に間違いありませんでした…。遺体は後部座席で発見され、激しく暴れた痕跡と窓ガラスに無数の手形が残っていたそうです。すると私の車の後部座席で暴れていたのも…

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