ある兄弟がいた。その兄弟は仲が悪くお互いの事を他人のような感じで接していた。無論、口もろくに聞いていない。ある日、弟がこう言った。「兄貴、俺もうすぐ死ぬかもしれない。夢でみたんだ。俺がバイクで交通事故を起こして死ぬ夢。すげーリアルだったんだ。だから、俺が死ぬまで俺たち仲良くしようぜ。」言い残した弟は帰らぬ人となった。
夢の通りバイクで交通事故を起こして死んだ。兄は悔やみ切れなかった。いくら仲が悪かったとはいえ同じ血を分けた弟を心底憎んでいたわけではない。弟の夢と現実が一致したのも怖いけれど大切な人を失うのも恐いものですね。