自分は夜、配送の仕事をしています。ある配送先の病院での出来事を書きたいと思います。
場所は東京のS区にあり丁度K市との境にある大きな病院です。毎日その病院に配送していた訳ではなく、一週間に1日だけ配達をしていました。病院に配達をする時間は、夜中の1時ごろで、遅くても30分遅れる位でした。
その日は雨が降っており、いつもより1時間遅れていました。病院に着いたのは午前2時過ぎ。急いで受付けを終えてエレベーターに乗りました。目的の階に着き扉が開いた瞬間、何か重たい空気を感じました。「何か嫌だな、納品場所に行きたくないな~」と思った瞬間、目の前を白い何かがスーッと通り過ぎました。
さらに、エレベーターを出ると納品場所の方から声がしてきました。よーく聞いてみるとその声は子供の泣き声の様に聞こえました。ますます行きたくないと思ったのですが仕事の為仕方なく台車を押し、納品場所に向かいました。その間も子供の泣く様な声はしており近づけば近づく程大きくなってきました。納品場所のドアの前に着いた瞬間、その泣き声はピタッと止まりました。
怖いながらもドアのカギを開け、急いで終わらせようと作業に取り掛かりました。台車から物を降ろし床に置いた瞬間、右手首をギュッと何かに掴まれたと同時に自分は動けなくなってしまいました。すると耳元で「おじちゃん、遊ぼっ」と女の子の声がしました。自分は心の中でごめん、遊べない、遊べないからと何度も繰り返し言い続けました。
しかし握られた手首はさらに強く握られ「遊ぼ、遊ぼ、遊ぼ」と女の子の声。すると入り口のドアが開き「どうしたのっ」と声がしました。その瞬間自分は動けるようになり、女の子の声は止んで、握られていた手首も離されました。どうしたのと声をかけてくれたのは他の納品業者の方でした。
その人にふるえながら今これこれこーゆー事があったと話すとその人も何度かここで子供の声を聞いたと話てくれました。それから数ヶ月してその病院とは取引が無くなり今では行ってないのですが病院の近くを通ると思い出します。