気配のない人

小学校時代に体験した事をふと思い出したので、その話を。私は霊感ないので、今回も大して怖くはないですが…まぁそれで良ければ・・・

小3の夏、寝苦しい夜でした。私も兄弟も朝に弱く、母がいつも起こさなければならないのですが、母も当時から腰を痛めていて家の中を移動するのも辛いので、父は一階、他の家族は二階の一部屋に全員で寝ていました。その方が起こすのが楽でしたから。隣の兄や弟、母はみんな寝息をたてて、明らかに寝ていたと思います。そんな中で私は、暑さの為に中々寝付けず、寝返りばかり打ってました。まあ太ってたんで…暑くて暑くて。そして、最後の寝返りを打った直後でした。

誰かが私を持ち上げたんです。私は当然パニックになりました。だって、みんな明らかに寝てて、私は太ってるから持ち上げるのは大変で、兄弟は私を持ち上げるなんて無理で、腰の悪い母が持ち上げるなんてもっと無理で、父が持ち上げるにも二階まで上がってくる足音が聞こえるはずで、そもそも持ち上げた理由がわからなくて…

すぐ降ろされたんですが、私は以降寝返りを打てませんでした。目も開けられませんでした。取り敢えずじっとしてれば、衣ずれとか足音とかするはずだ。そしたら誰が持ち上げたのかわかるさ。そういう考えもあって動かなかったんですが、まあ当然ながらそんな音はしない訳で…となると、私を持ち上げた当人が未だにその場所にいるはずな訳で。

結局、そのまま夜が明け、目覚ましが鳴って、母が起こしに声をかけて、私はやっと恐怖から解放されました。あの時に目を開けてれば、もっと怖い体験談になったでしょうが…あいにく小3の私にはそんな度胸はありませんでした。

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