妖怪・怪異・八百万の神々

私自身は一度も何かを見たとか、金縛りにあったとかの経験がない為、どうしても人の体験談になってしまいます。これは友達のAに聞いた話です。

ある年の冬の深夜、Aは友達五人とある心霊スポットに、季節外れの肝試しに行ったそうです。その日は寒く、地面にはうっすらと雪が積もっていました。五人は車を止めて歩いて心霊スポットを巡りましたが、特に何も起こることがなく車に戻って来ました。みんな少しガッカリしていて寒いしもう帰ろうということになり、車に乗り込みましたが、B君がトイレに行きたいと言い出しました。「その辺りでしてこいよ」と言われB君は少しビビりながらも、誰にも踏み荒らされていない真っ白な雪の上を歩いて行きました。

B君も早く車に戻りたかったので手ごろな所で急いで用を足し、振り返った時にギョッとなりました。雪の上に小さな子供くらいの足跡が付いており、B君のすぐ後ろで止まっていました。当然こんな時間に子供などいるわけもないし、B君が来るときは誰の足跡もなかった。仮に見落としていたとしても、帰った時の足跡がないのです。B君は急いで車に戻り、車でその場を離れました。

その後特に変わったことはなかったのですが、一つだけ気になることがあります。車の持ち主であるC君が次の日に車を洗おうとしたところ、ボンネットに小さな子供の手の後がいくつも付いていたそうです。これって偶然なんですかね？