何年か前に、テレビでアイドルがしてた話。うる覚えなんで多少脚色。
彼女が幼いころ、親戚から2体のピエロの人形をもらった。もらった当初は大変気に入ったのだが、だんだんその2体のピエロ人形を薄気味悪く感じ、やがてそれを持っているのも嫌になった彼女はその2体の人形を近くの公園の砂場に埋めたのだった。
埋めた日の夜。彼女は部屋で眠りについていた。家には彼女ひとりだった。突然、部屋に荒々しく誰かが入ってきた。家族のだれかと思いつつ、しかしその様子を不思議に思った彼女はそっと薄目を開けて、入ってきた人物を確かめた。なんとそこには、彼女がその日砂場に埋めたピエロ人形と同じ格好をした2人のピエロがいたのである。だが、その姿は、どこからどうみても人間である。
そしてあろうことか、その2人のピエロは、彼女の部屋を滅茶苦茶に荒らしだした。「けけけけけ」と叫びながら、とても楽しそうに。 片方のピエロは机の上の物をいたるところに放り投げて、机の上で踊っている。もう片方のピエロは、タンスやクローゼットを、次々と倒していく。 それらは相当な重さのはずなのに、そいつはそれを軽々とやっている。
そこまで見た彼女は、目を硬く閉じ、その悪夢が終わるのをただひたすら耐えて待っていた。 次に彼女が気が付いたのは、母親に起こされたときだった。部屋は荒らされたままであった。
そして彼女の枕元には、捨てたはずの、2体のピエロ人形が並んで座っていた。