お姉ちゃんを探す小さい女の子

その日、友達三人と一緒に旅行に行った帰りでした。とある山の中、午後6時をまわり、辺りが薄暗くなっていました。その時の事です。急に右前から変な音がなりました。タイヤがパンクしてしまったのです。

「どこか、寝れる場所、ないかな?」としおり。
「だめだよ!車の中で寝ようよ。」と実。
私は、小さいころから霊感があり、良からぬ前触れをよく感じ取ってました。しかしみんなは、「車じゃ、4人は寝れないだろう。」と。そのうえ雄也も「小屋あるんじゃね?」その言葉で、3人は小屋を捜し始めました。私は、感じていました。何ともいえない嫌な気分を・・・。


10分後、ぼろぼろな小屋を見つけました。穴が10個ほど開いているものの、1日寝ることぐらいはできるかんじの小屋でした。たまたま持ってきていたお菓子やジュ-スがあり、それを夕食にしました。食べ終わると雄也は「おい。ちょっと怖い話しようぜ。」と言い出しました。私は、「ちょっと、こんな所そんなのよそうよぉ。」と言いましたが、「え-!!まさか優奈、怖いの?」「度胸ねえなあ。」とからかわれ、しょうがなく聞くことにしました。

そうして始まった怖い話の最後、に実が言いました。
「絶対、呼ばれても振り返るなよ!!」
その言葉は私の頭にずっと残っていました。午後10時をまわり皆寝てしまいました。でも、どうしても私は寝れず、上半身を上げた時でした。私はあるものを見てしまったのです。開いた穴から、小さい少女がこっちをじーっと見ているのです。あまりの恐怖に隣に寝てたしおりを起こしました。
「し・・・しおり・・・。」
「んもー!なに?」
「あの穴から女の子、こっち見てる・・・」
しおりは穴を見ました。
「何にも居ないじゃん。おこさないでよ!」
しかし、私は穴から少女に見つめられているのです。ふいに女の子が手招きしました。すると、自然に体が動くのです。行ったら何かが起こってしまう、いっちゃだめだと思っても体が動いてしまうのです。ドアを開け少女が覗いてた穴がある小屋の裏側へ行ったのですが、少女はいませんでした。私は、ホッとしたのですが、が、次の瞬間、後ろに誰かが居るのです。
「誰・・・?」
「・・・おねえちゃん」
小さい女の子の声でした。振り向きかけたその時、”ふりかえるな”という、実の言葉がふと蘇りました。

振りかえらないでいると「どうして見てくれないの?」と女の子。私は黙っていました。
「じゃあ、振り向かせてあげる。」
その言葉と同時に首が動きはじめたのです。
「いやだ・・・絶対むくもんか!!」
叫んでも首は動いていきます。そして、ついに振り返ってしまいました。そこには、無惨な骸骨が何体もあったのです。その上に少女が浮いていました。少女の髪はみるみる伸びて、伸びた髪の中からものすごい形相で目は私を睨みつけていました。
「お姉ちゃんじゃない・・・」
ふいに私は殺気を感じ、走って逃げました。女は歩きながら追ってきます。ついに女の子においつめられてしまいもうなすすべもなくなった、その時です。
「おい!お前、優奈になにしてるんだよ!」
しおりと実、雄也が来てくれたのです。
女の子はすーっと消えました。
「皆・・・」
「優奈がいなくて探してたんだ。」
「ねえ、優奈。さっきの子って・・・」
「多分幽霊だと思う。ねえ、ここから速くでよ?」
4人は携帯電話の繋がるポイントを見つけ、レッカ-車を呼びました。それからのこと、私の霊感はなくなりました。でもあの時、もしも自分で振り向いてたら・・・と思うとゾッとします。後で分かった事なのですが、その山は心霊スポットとして有名だったのです。もし行った際は、皆さんも自分では振り返らないでくださいね。

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