田舎の隣村の人から聞いた話です。その村には綺麗な湧き水のでる神社があります。私も飲んだことがあるのですが、とてもおししかったです。わざわざ、遠くから汲みに来る人も多いので、一人10リットルまでと制限しています。ある時、町から汲みに来た中年の夫婦がポリタンクやボトルを大量に持ち込んで制限を無視して汲んでいました。人が注意すると「あんたの土地じゃないからいいじゃないですか。」と全く聞く耳を持たなかったそうです。その夫婦は何度も来ては、長いこと水場を独占し、地元の人だけでなく他の利用者の迷惑にもなり、嫌われていました。
ある日、夫婦がいつものように大量に水を取り、帰って行きました。そして、翌日、またやってきました。 しかし、どうも様子が違っていつものポリタンクも持たず、一升瓶とお供えらしき物を持って神社に行くと、拍手を打ち、お参りしているのです。
不思議なこともあるものだ、と思い。「どうされました?」と彼が聞くと、
「昨日、持って帰った水が帰りの途中で全部、空になっていたんです。」
「それに、夜中に水を返せ、水を返せって家中から聞こえて」
とのことでした。
彼はその話をしながら「境内の物は神様の物だからな、取り過ぎちゃだめだな。まあ、山の神様のバチが当たったんだよ。」そう言っていました。