金縛りで見た餓鬼

大学進学のため上京する妹と西荻窪のマンションでルームシェアをすることになった。
家賃は9万で部屋も完全に分かれていてとてもいい物件だ。
すぐ隣の一軒家に大家さんが住んでいる。
大家さんはいつも大きな庭で木や花の面倒を見たり、池で飼っている鯉に餌をやったりしている。
マンションから見えるその庭はとても綺麗でこの物件を選んでよかったと思っていた。


ある日曜日妹が妙な声が聞こえると言い出し、二人で声の出所を探すと大家さんの家からのようだった。
耳をすますとどうやらお経のようだが、お葬式で聞いたことのあるものとは違い同じ言葉を繰り返し大勢で合唱しているように聞こえた。
妹が大変気味悪がっていたが、何かの宗教かもしれないが害はないだろうということを話した。
隠してはいたが自分でも少し動揺していたので気分転換にと近所のリサイクルショップ等を2人で回ることにした。
家を出るとはき大家さんの家の前を通った。人が沢山集まっている様だったが少し見かけた人は喪服は着ていなかった。
中古の安い座椅子や小さい棚、食器等を買っているうちにそのことは忘れた。

2人での生活にも慣れ、私は新しいバイトを始め、妹はサークルを決めたようだった。
バイトの夜勤が続いていた蒸し暑い夏の夜に不穏な夢を見た気がする。
夢の直後目が覚めた。体が動かなくなっており、腹のあたりが苦しい。
目は開いたので汗だくになりつつ眼球だけで腹の上を見ると、30センチ程の人型のものがへそのあたりにまたがっていた。
暗いのでよく見えなかったが、頭の両側には角もしくはとがった耳のようなものがついており、鬼か西洋のゴブリンのようなシルエットだった。
下腹部は膨れており、服を着ているかはわからないが全体的にざらざら、ごつごつしている。
私の腹の上でそいつは動いており、腕を動かして何かを食べているようだった。
顔はこちらを向いているがどんな顔をしているかはぼやけて見えない。
そいつに気づいておそらく5秒程で恐怖が限界に達し、体が動かないのを忘れ全身に力を入れた。
私は気がつくと上半身だけ起こした状態で、さっきまで訳の分からないものがいた場所に向かって掌底を撃った状態で止まっていた。
布団まで汗でびしょ濡れで、一度起きてシャワーを浴びた。

次の日妹が不機嫌そうに、もしもまた夜中寝ぼけて大声を出したら6:4で分けている食費を8:2に変更すると伝えてきた。大声を出した記憶は無いがすぐに理解し、素直に謝り金縛りについては黙っていた。
それ以来たまに金縛りに会うようになった。体が疲れているとなりやすいということが分かり、そこまで恐怖を感じなくなった。

『金縛りで見た餓鬼』へのコメント

  1. 名前:匿名 : 投稿日:2015/12/21(月) 04:10:09 ID:
    Warning: Use of undefined constant jn - assumed 'jn' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/national-p/www/2/kowabanakaii/wp-content/themes/child/functions.php on line 22
    EzMDk5NDM


    驚愕夢、たま~に見るけど、「うわっ」て程度
    妹に怒られるなんて、きっとカメハメ波でも放ったんでしょw

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