当時親の仕事でヨーロッパに引っ越したばかりで、なかなか友達ができないし、言語の壁ハンパねえ!な感じで、自然とネトゲにハマってしまった。
真っ暗な部屋で深夜から明け方にかけてパーティ組んで狩りをしたり、ネットサーフィンしたりがデフォになってたある日、いつも通りパソコンをいじってたら、河童みたいな顔つきの若い男が、パソコンのすぐ後ろで横になって頭に片肘ついてにやにやしながらこっち見てた。でかめなローテーブルの上にパソコン置いてたんだけど、想像できるかな?河童みたいなって表現ザックリしすぎだけど、なんというか、人っぽいんだけど、なんか河童みたいにも見えるというか…わかりづらくてごめん。
パソコンの明かりだけで見えてるから、なんかその河童みたいな人の周りはもやっとしてて、より幽霊っぽい感じがした。そんで、その横になった頭付近に女が立ってた。河童には恐怖心はあまりなかったけど、こっちはちょっと怖かった。貞子みたいに髪長くて黒くて顔よく見えない。白い服きてぼーっと突っ立ってた。どっちにしろ声上げて驚くほどではなくて、『な、なに突然!』くらいに思った。
そしたら、その河童が「ねえねえ」って声かけてきた。ニヤニヤしながら、「そんなんでいいの?本当にいいの?ねえ?」って話しかけてきた。そこからはどの位の時間かはわからないんだけど、ひたすら「ねえ、いいの?」って話しかけてくるのに対して、「うるさい」とか「消えろ」とか返してた。貞子はなにも喋らなかった。そしたらなんの前触れもなく気づいたら居なくなってた。それ以降河童も貞子もみたことない。
少したって友達にこの話をしたら、「ちょっと前に同じ話をネットの掲示板でみた気がする」って言ってたから、すごい気になってた。
貞子は日本風だったな。中2故の妄想だったのかな?河童の人種はわからんけど、髪の色黒じゃなかったと思う。実際に声聞いたってより、そう言ってるように感じたって感じだったから、日本語だったとかそういうこともなかったとは思う。貞子は立ってて、私は座りながら見上げても、だんだんグラデみたいに暗くなってて胸から上はぼやぼやだった。足ははっきり見えたけど。髪は多分黒。友達から前に似た話よんだって聞いて、他にも同じような体験した人いるかなと思ったんだけど、やっぱ妄想だったんかしら…