とある山村の洞窟に棲む「魔王」の話

ある過疎の山村に、古くから伝わる伝説に闇の魔王という魔物がいました。




山村の一番奥の森の中に洞窟があり、洞窟の中には小さな祠が祀られていて、闇の魔王を封印してあるのです。封印された闇の魔王は、洞窟から出ることは出来ず、近づくものを洞窟におびき入れ、殺すのだと言います。

ある時、3人の登山者が霧で遭難しそうになり途方に暮れていました。その中の一人が、闇の中に洞窟が見えたと言って暗闇の中に入っていったまま帰ってこず、翌朝下山した登山者の通報で村人と警察で捜索しましたが、洞窟はどこにも無く、その登山者も発見されなかったそうです。

いくら探しに行っても、洞窟は探し当てることは出来ず、実在しないというのが、一般的な意見となりました。山はある有名な山にアクセスするための登山ルートにも入っていて、登山者や獣を狩る人、山菜取りの人が行き来していましたが、洞窟を目撃した人はいないということです。

そんな過疎の山村に殺人犯が逃げ込むという大事件がありました。沢山の警察官が村に来て、村の中と山を探し捜索したそうです。ところが、捜索している警察官が2人、行方不明になってしまいました。

犯人に拉致された可能性が高いと、躍起になって捜索したにもかかわらず、その事件は結局、犯人も警察官2人も見つからずに迷宮入りとなりました。結局、その時も洞窟は見つかりませんでしたが、村の人は言います。

闇の魔王の力で、普段は誰にも見つけられないが、洞窟は実在し、今も獲物を待っていると。

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