夜中ふと目が覚めると、小人が玩具で遊んでいた

もう十年以上前の事だが、当時ミクロマンという玩具があった。アニメが終了したのか、トイザラスで投げ売りされていた玩具を何となしに1個購入。それが思いの外よく出来ており投げ価格も相まって、その後売っている種類全部買ったんだ。んでメインキャラの5人と動物ロボにポーズを取らせテレビ台の前に飾っていた。




それから数週間程度経って当時の彼女が泊まりに来た時だ。朝起きるとその彼女がものすごく不機嫌な感じだったんだよ。どうしたよと尋ねると「あそこの人形(ミクロマン)が夜動いていた」と言う。んなバカなと確認したけど、当然俺が取らせたポーズのまま何も変わってはいない。「これ磁石が入ってるから人形同士で干渉したんじゃね」とその場は適当に宥めておいたが、オカルト話は好きなので、眉唾と思いながらもそれから意識して観察するようにした。しかし3日経っても一週間経ってもミクロマンに変化はない。俺も飽きちゃって、もうそんな事も忘れてた数ヶ月後に事が起こった。

夜中の3時ぐらいだと思う、非常灯を付けて寝るのが癖なんだが、ふと目が覚めて対角線上にあるテレビが目についた。再度目を閉じようとした時にミクロマンがふっと動いたように見えたんだ。

「え!?」と思い寝たままの姿勢で目を凝らしたら間違いなく動いていた。ただ動いていたのはミクロマンではなく、それより頭一つ大きいぐらいの小人?だった。それも一人ではなく、俺が確認出来た分で四人いた。面白いのが(実際は恐ろしかったんだが)服装がバラバラで、ターザンみたいな腰布だけの奴、公家衣装っぽい奴、スーツ姿の奴、こいつらは何となく男だと認識出来たんだが、一人ゲームに出てくるようなやたらと目立つ法衣?を着たのがいて、こいつだけ女だとなぜか判らないが思った。俺は嘘だろと興奮しながらも相当ビビっていた。小学生の頃に読んだアウターゾーンという漫画で、小人は目撃した人間を襲うというのを思い出したから。心臓が爆発しそうになりながら好奇心もあって薄目で観察を続けた。

男3人は鳥型のロボットに興味があるらしく、しきりに鳥ロボを囲んで周っていたんだが、麻呂タイプの奴がその鳥ロボの背中(ミクロマンが乗れる様にシートが付いてた)にひょいっと跨ったんだ。すると法衣女が手で制したと思ったら麻呂はすぐに降りた。それで暫くミクロマンの回りでゴソゴソしていたんだが、テレビ台と床の隙間に消えていった。俺はすぐに電気を付けて確認したいと思いつつも、完全にビビっていたのでそのまま明るくなるまで寝たふりをしていた。それで明るくなってから(もしまだ居たら怖いので)小芝居を打ちつつ電気とテレビを付け、それとなしにテレビ周辺を探ってみたが、薄く積もった埃もそのままで何も形跡は無かった。その後何とか形を残したくて友人からビデオカメラを借り、留守時と就寝時に仕掛けていたんだが、留守時は何も起こらず、夜はナイトビジョンとか無かったもんでそもそも何も映らなかった。結局見たのはその一回だけなんだが、それまで霊の類と一切縁が無かったから衝撃と恐怖感が半端なかったよ。
夢だろと言われれば否定出来る程の弁は無いが、あれは現実だったと今でも思ってる。

メールアドレスが公開されることはありません。