3年位前のちょうど今くらいの時期の話。俺は寒がりでコタツで寝る癖があってその日もパソコンしながら転寝してた。結構夜もふけてたと思う。そしたら夢見心地に廊下を挟んだ仏間から小動物がトトトトトと走ってきて俺の顔のあたりでハッハッハッハッて息を吐きかけてくる気配があった。ものすげーねぼけてたので「あれなんでこんなとこにウリンコがいるの?」とぼんやり考えてた。家の中ではペット飼ってないから犬猫じゃあないのは確かで、その気配の持ち主がペット系じゃない野性っぽさがあったからだと思う。
で「家の中にウリンコとかありえないだろ~」と考えてるうちに徐々に頭がはっきりしてきてゾクッとした。頭は起きているのに体が動かないいわゆる金縛り。耳元では相変わらず得体の知れないものがハッハッハッハッっていってる。俺はその日家の数百メートル手前で狸をひき殺してたんだ。怖くて目もあけられなくて口も聞けないし心の中で必死になんまんだぶつって唱えたよ。
普通に考えたらコタツ見たいな疲れの抜けないところで寝て狸をひき殺したっていう自責からの幻覚に思えるけど、最初寝ぼけて「ウリンコ」って思ってたくらいから結構ガチだったのかなあ?もしくは狸轢いたけど死んでないって希望的観測が初めに「ウリンコ」と思わせたんだろうか。
※ウリンコとは、イノシシの子供のこと。ウリ坊とも呼ばれる。