【山の怖い話】深夜の藪から出て来た人型のモノ

私の怖かった体験です。2年くらい前、山陰の方へ一人旅をしました。夜中に山の中を車で走っていたのですが、尿意を催したので車をわきに停めました。その日は曇っていたため星もなく、街灯なんかもちろんないので真っ暗です。試しに車のライトを消してエンジンを切ると、ほんとになんにも見えないくらいの暗闇でした。怖かったんですが、怖さを楽しみたかったのでそのまま外へ出て、ほんとに手探りのような感じで車から離れ、茂みのほうに向かって行き、そこで小便をしてその近くで座り込んでタバコを吸っていました。時間がたって少しくらいぼんやりと回りが見えるようになったんですが、やっぱり暗闇は暗闇でした。煙草も吸い終わり、そろそろ戻ろうかと思ったときです。静寂の中で何か音が聞こえました。葉が擦れ合う音です。ガサガサっと、私の位置から道路の反対側の森の中で聞こえます。私は驚いて、おもわずその場に身体を低くして四つん這いのような恰好で音のほうを見ました。

しばらくして、またガサガサっと音が鳴り、何かが出てきました。動物かなにかわからないんですが、怖かったので私はずっと息を潜めています。それは道路を横切り、ヒタ、ヒタ、と変な音の足音で反対側に消えて行きました。距離は私から10メートルくらいだったと思います。話はそれだけなんですが、ぼんやり輪郭が見えたとき、それは私には人間のように見えました。熊かとも考えたのですが、熊が出るような場所でもないそうです。そして、あの足音が動物にしては変だったように思うのです。時間は夜中の3時くらいでした。近くに民家なんかありません。もし人だったら、そんな時間にそんな場所で何をしていたのだろうと考えるとすごく怖いです。しかも道路を歩かずに山の中へ消えて行ったのですから。怖くなかったらすみません。

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