70過ぎのオヤジの子供の頃の話。夜の山の斜面に、星の様な光が数十個ポツポツ見える時が何回かあったそうだ。そして、その光が上下に移動するんだが、相対距離にして何十メートルもある山の斜面をすいすい上下に移動してる事になる、仮に人が松明を持って走り回ったとしても、条件的にも速度的にもありえない情景なんだそうだ。不思議に思ったオヤジが、大人に、「あれは何だ?」と質問したところ、その大人は、特に珍しい事でも無さそうに、「狐の嫁入りだ」と応えたそうな。昔は、こんな事、普通にあったんだよ。ってオヤジは言う。
霧で隠れた狐の嫁入り
山で間引きの帰り、見た。向かいの山(直線で1km位)に明かりが幾つか灯っている。人家もなければ登山道でもないところで、ゆっくりと移動しているようだった。ああ、これが狐の嫁入りか。と、思っていたら急に霧が流れてきて見えなくなった。狐雨は降らなかったけど、あれはいいものを見たな。見に行ける距離だったけど、なぜか行きたいとは思わなかったな。