【水神様の祟り】覚えのない奇行

これは今の夫と結婚前に同棲をしていた時の話。




付き合って以来どちらかのアパートに泊まり合い半同棲を続けていましたが、やはり手狭だったので思い切って二人で新しい部屋を借りる事にしました。同じ職場だったので、職場のある町に新居を探すことにしました。駅前の不動産屋さんでまだ建築中の1LDKのアパートを見つけ、少々家賃が予算オーバーでしたが二人ともきちんと働いていたし将来への期待も込めて入居を決めました。

2ヵ月後、アパートは予定通り完成し無事引越しも終わりました。大きいドアのある玄関、床まで真っ白な清潔感のあるリビング、ピカピカで使いやすそうなキッチン、追い炊き付の広い浴室。夢のよう。犬を飼うつもりでペット可物件を選んでいたので、早速犬も選びに行き一緒に暮らすことにしました。

全てが予定通りに進み素敵な新居で幸せな気分に浸っていたのですが、2ヶ月を過ぎた頃私に異変がおき始めました。眠れなくなってきたのです。元々精神的な疾患を持っていて睡眠障害があったのですが、何年も前に完治していてそのことすら忘れていました。仕事を休みがちになり、一日中寝ていたり起きていたりするようになりました。そして、段々おかしな行動をとるようになりました。

夜中に起き出して寒い中ずっと犬のケージの前に座っていたり、いきなり大声でわめきだしたり。しかし私は次の日何も覚えていないのです。実際、あのアパートに住んでいた頃の記憶は今でも断片的であり、抜け落ちが多く前後関係をよく把握できません。病院にも通いましたが、ストレス障害とのことで薬を処方されましたがちっともよくなりません。とうとう仕事も休職しました。一日中寝ているのに全然疲れもとれず、とにかく家にいると何か妙な気分になるのです。家のどこにいても落ち着かないのです。

そのうち暴れだすようになり、彼(今の夫)にも危害を加えるようになっていきました。さすがにもう行き詰まりと本当に大変なことになってしまったのを実感して困った私達は、藁をも掴む思いで何年も前に通っていた四柱推命占いの専門の先生の所に相談に行く事にしました。

そこで相談した結果、先生には以下のように言われました。
「あなたのアパートは新築ですよね?人が住み始めて間もないようですものね。ここは元来人が住む土地ではないようですよ。土地にはそこに見合う役割というのがあるのです。例えば人が住むべき場所に住宅、商売をすべき場所に商店。それを無視した作り方をした場合そこは栄えません。よく国道沿いなんかに新しい店が出来ても出来ても、潰れるお店がありませんか?ああいうのは役割を無視した使い方をしてる場合が多いのです。」
「そういえば、うちの前は学校です。裏は田んぼが広がっていて、集落は少し離れたところにあります。」
「そうでしょうね。実は学校は魂の出入り、つまり人間の出入りが多いところであるし、あまり近くに住むといろんな人間の意志の力を受けやすいのですよ。そして学校と田んぼに挟まれ、かつ集落もちょっと離れているという事は、そこはやはり住宅向けの土地ではないと思います。少し調べてみますね。」
先生は少しうちの場所について調べてみるということで後日連絡をくれることに。

数日後先生から連絡がありました。
「やはり、その場所は昔祠があったようですね。ということは神様の場所ということです。祠は代々その土地の方が管理されるのですが、長い年月をかけてお世話する人がいなくなり無縁になってしまうことがあるのです。そんな中土地の売買がされ祠を無視して建物が建つことはよくあるんですよ。しかし、それが住宅であるとやっかいですね。感受性が強い人、特に女性が影響を受けやすいんです。この場合あなたが影響を受けてしまったかもしれません。」

実はこのアパートで一番先に入居したのが私達なんです。一番最初に入居した女性、つまり私。もしかしたら偶然ではないのかもしれない。
「先生、これはもうどうしようもないのですか?」
「手がないわけじゃないです。神様にお願いしてみましょう。住まわせてくださいと。」
先生の紹介でお祓いをできる神主さんに連絡を取り、すぐお祓いをしてもらうことにしました。

無事お祓いは済みました。がしかし、何日経っても私の症状が軽くなることはありませんでした。相変わらず一日中寝ていて夜中に奇行を繰り返す、そしてそのうち全く無意識のうちに自分を傷つけてしまっていました。救急車もかけつけかなりの騒ぎになってしまいました。命に別状はなかったものの、私は意識が戻った後自分のしたことを聞かされショックで立ち直れませんでした。これはもう限界かもしれない。私はある人に電話しました。年上の友人です。とても強い霊感を持っている女性です。

彼女に今まで私に起きた事を話しました。すると彼女はこう話し出しました。
「あのね、あなたの住んでるとこたぶん水神様の土地だよ。水神様が見える。だめだよ。いろんな神様がいるけど、水神様は無理だよ。水神様の力は人間の想像以上に強い。お祓いしたとしても、それは勝手に人間がお願いしているだけのこと。神様にすればそんなもの関係ないのよ。もちろん聞いてくれる神様もいるよ。そこにいる水神様も今は待ってくれているかもしれない。でもね、神様が決めた期限を過ぎるとこんなもんじゃ済まないよ。すぐ出なさい。経済的な損失が惜しいことも分かる。でもね、お金は元気になってからいくらでも取り戻せるの。命は戻らないでしょ。」と。

彼女の話を聞いた私はやっと引越しをする決意をしました。古い郊外の部屋に引っ越しましたが、みるみる体も心も元気になりやっと普通の生活を取り戻すことができました。 あの新築アパートの出来事が本当に水神様の祟りだったのか分かりません。しかし、あれから何度もあのアパートの近くを通りますが、とてもいい部屋で駅の近くにも関わらずどこかしらの部屋が空いているのです。私だけでなく、異常なことが起こった人がもしかしたらいるのかもしれません。

『【水神様の祟り】覚えのない奇行』へのコメント

  1. 名前:7c : 投稿日:2016/09/03(土) 03:27:32 ID:
    Warning: Use of undefined constant jn - assumed 'jn' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/national-p/www/2/kowabanakaii/wp-content/themes/child/functions.php on line 22
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    まあ、ゴジラだって人を踏んでも気付きもしないだろうし、水神様がちょっと寝がえり打っただけでも影響受ける人がいるのかもね
    治って良かったです

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