【石の塔の謎】寝たきりになったと同時に超能力を身につけた叔母の話

うちの一族は女だけ結構霊感がある家系なのだが、その中で私の叔母さんが一番ずば抜けているんだわ。で、そんな叔母さんがある日突然倒れまして。見舞いに行ったんだけど、完全に寝たきり状態。体も全然動かない、頭はしっかりしてるんだけど、と言った状態で。病院で調べてもどこも悪くないとのことで、一族で首をかしげてたんですな。

だが、叔母さんは体の自由を奪われた代わりに、超能力がついてしまった。どうも予知っていうのか透視っていうのか、その人を見ただけで、その人の人間関係がどうで、今日あった人間がどうで、等々のことが全部頭に浮かんでくるようになってしまったそうだ。誰誰さんは何日に市役所に行った、とか、あの人はいつ死ぬ、とか。テレビを見ていても、この政治家は次の選挙に落ちるとか、そういうのを全部見抜いてしまったらしい。当時宮崎勤がちょうど捕まった時だったのだが、叔母さんは「この人の家族はかわいそうに。お父さんは自殺して、お母さんは・・・」などということをすべて言い当ててしまっていた。

でも体が動かないのだからそんなの全然嬉しくない。そんな生活がしばらく続いて、叔父さんは考えた。そもそもあいつが倒れたのが突然すぎる。あのとき何かなかったか?で、叔父さんはその時に、工事現場の跡地から小さな石の塔を拾ってきたことに気がついた。ちょうど叔母さんが倒れたのはその直後だったのだ。

叔父さんはその石の塔を元の場所に戻しに行って、よく祈って帰ってきた。そしたら叔母さんは突然元気になって、寝たきりを脱出したのだわ。でも、その超能力もどきのような物は一切消えた。怖いって言うより不思議な出来事・・・。未だにちょくちょく思い出す。

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