母の妹(ひさ子としますね)は小さい頃、毎日毎日遊んでいた子がいたそうで、髪は長くていつも赤いワンピースを着た自分より小さい女の子と遊んでいたそうです。
その遊びってのが変わってて、女の子は何もしゃべらないので一方的にひさ子が喋り続けて、しばらくすると手を引いて何処かに連れて行ってくれていたそうです。
でも自分の母親は一度もそんな子と遊んでる姿を見たことが無かったそうです。
「で、何処につれてかれてたん?」と聞くとひさ子は「知らない場所につれてってくれてたんだ」なんて言うんです。
自分の地元は島なんで子供が行ける場所なんて限られてるんですが、その子はいつもいつもひさ子が知らない場所に連れて行ってくれたそうです。
ある日いつものようにその子と遊んでいて、その子が手を引いて歩いていると、「いつも楽しいね、今日はお礼がしたいの」なんて言われたそうです。
子供なんて純粋なものでそんな事いわれたら「うん!」なんて二つ返事。
テクテク手を引いて歩いて行ったそうです。
その日は自分の家の裏にある山を登って行ったそうです。
そこまでは知っている道だったんですが、突然風景が変わって目の前に木でできた小屋があったそうです。
「ここだよ」なんて言って小屋に案内されるとそこにはお菓子やジュースが山のようにあったそうです。
嬉しくてパクパク食べてるひさ子を嬉しそうな顔で女の子は見ていたそうです。
お腹一杯お菓子を食べたひさ子は子供の性とでもいうか、寝てしまったそうです。
ひさ子が気が付くと周りには親やら姉(自分の母ですね)やら近所の人もみんないてひさ子を心配そうに見てたそうです。
「目覚ましたぞ!先生呼べ先生!」
一日あの子と遊んで寝ただけなのに、ひさ子はもう危険な位衰弱していて、病院のベッドで寝ていたそうです。
幸い回復も早く、3日もすると歩ける位に元気になって皆ホッとしていたそうです。
その日病院のベッドで母親から「あなたどうやってあんなところに行ったの・・・3日も突然いなくなってホントに心配したんだから・・・」と言われたそうです・・・。
ひさ子が見つかったのは街から10キロほど離れた山のテッペンで見つかったそうです。
しかもひさ子のお腹には一杯の木の実と虫が詰まっていてそれは気持ち悪かったと皆言っていたそうです。
近所のオッサン達は口々に「ケンムンの仕業だ」と言って騒いでいました。
うちの島には「ケンムン」って名前の妖怪が昔からいると信じられていて、時々大人にも悪戯をするそうです。
自分の身内にそんな体験した人が、しかも身近にいるなんて、少しゾッとしました。
妖怪なんて鬼太郎レベルの話かと思っていましたが・・・今では少し妖怪を信じています。
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奄美?