我が家に伝わる「開けてはいけない箱」に纏わる昔話

実体験だから怖いかどうか微妙で、特にオチもないけどせっかくの機会だから投稿する。僕の実家の天井裏には絶対に開けてはいけない箱がある。開けてはいけない箱の形状はいたってシンプルだ。10㎝四方の漆箱、埃をかぶり装飾は何もない。蓋を固定するために十字に絞められた紐はほぼ朽ちかけていてぼろぼろ。実はこの間、双子の兄と箱を開けてみたのだが怖いことは何も起こらなかった。なんだ何もないのかよと思い祖父に箱を開けたことを報告すると、天井裏を勝手にいじるなと叱られたあとで昔話をされた。

祖父の話によれば、僕らがまだ幼い頃3つ上の従兄弟が箱を開けた後、「黒くて怖い地を這う女」の幻覚幻聴に苦しめられながらじわじわと弱っていき、亡くなった。死因はよく分からず、乳幼児によくある突然死的な扱いだったらしい。箱はすぐ神社に持っていきお焚きあげしてもらおうとしたが、どうしたわけか燃えずに焼け残り、なおかつ箱を燃やそうとした神社で不審火が多発したことから我が家に戻された。それ以降、何度か誤って箱を開けてしまうことがあったが、特に何も起こらない。だから、とりあえず大事をとり「開けてはいけない」ことにして天井裏に保管しているのだそうだ。

正直この昔話は怖くなかったのだが、そういえば小さい頃に男の子が真っ黒な女の人につれられて我が家の廊下を歩いている夢を見て泣いてたな~って思い出して、ちょっと怖くなった。ちなみにこの夢は兄貴も見ていたらしい。

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